【デザイナーあるある】修正が多いデザイン案件対応策。追加料金とる?

【デザイナーあるある】修正が多いデザイン案件対応策。追加料金とる?



なかなか終わらないデザイン修正の悩み。
デザイナーさん誰もが直面する課題ではないでしょうか。この記事では修正をできるだけ少なくして効率的に制作する方法について私が考える最善策をまとめます。

この記事はこんな方におすすめです↓

  • 修正が多くて一向に仕事が手離れしない
  • 無茶な修正ばかりで疲弊している
  • 修正料金をとるべきか悩んでいる

その人なりの答えがあるでしょうが、少しでも参考になれば幸いです。

この記事の信頼性について

グラフィック&Webデザイナー歴10年以上、フリーランスとして独立して7年目です。常に5案件以上を平行して作業しているため、余計な修正工数は命とり。その経験から学んできた「修正が多いデザイン案件」の対処法を書きます。

デザイン案件のゴールを明確にしてから着手する

結論から言います。

「ゴールを明確にしてから着手する」


「え、、そんな単純なこと?」
はい、基本的にはこれだけです。

修正費を請求しようと考える前に、無駄な修正を省くため、着手前にゴールを明確にすべきだと考えています。
腫瘍がどこにあるか分からないまま摘出手術できないように、ゴールが分からないのに制作に着手することはできません。

もう一度ヒアリングを見つめ直してみてください。
きっと制作のゴールが明確になっていないまま作業を進めてしまっているはずです。

ゴールを明確にして無駄な修正を減らすことは、デザイナーの時間を浪費しないことにもなりますが、クライアントのためです。
私らの仕事は、クライアントの「売上をあげる」、「集客をあげる」である場合がほとんどだと思います。そのために、「何が問題なのか」課題を浮き彫りにして、課題を解決するために仮説する。

この仮説が、デザイン案件の制作前に明確にすべきゴールです。

Business Goals

「ゴールを明確にしてデザインすれば本当にクライアントの問題解決になるのか?」 それは正直、リリースしてみないとなんとも言えません。
それでも、仮説して検証しようという試みが大切です。行き当たりばったりの仮説のない制作は、リリース後に結果に結びつかなかったとしても何が原因だったの振り返ることが難しい。「売上」、「集客」を達成するために「案件のゴールはここに設定しましょう」と提示してから制作に着手することが何より大切です。

「本当にこれでいいですね?」、「他には何かありませんか?」と、めんどくさい奴だな、と思われるくらい質問するくらいがいい。制作着手後に方向性がブレないように、意思決定に責任を持ってもらうようクライアントに促します。
このやりとりにきっちり付き合ってくれないクライアントこそ、無駄な修正を出しがちな人である場合が多いです。

そして、制作中も何度でもこのゴールに戻って考えます。
例えば、修正のフェーズでクライアントが「やっぱりこうじゃないかな?」と、予定していた要望と異なることを言い出したとします。
「ゴールはXXXでしたよね。もう一度、ゼロから考え直しますか??」と問います。
ヒアリング段階で「本当にこれでいいですね?」、「他には何かありませんか?」と何度も何度も聞いていれば、もうヒアリングはこりごりでしょう。



ヒアリングで明確にしたいこと

デザイナーがヒアリングで明確にしたいこと

ゴールを明確にするといっても、クライアントのビジネスはデザイナーにとっては門外漢。
例えば、「全身もみほぐし店舗の売り上げが落ちているのでWebサイトをリニューアルしたい」などと唐突に言われても、なんのことやらさっぱりわかりません。分からなくて当然なのです。「ちょっと疎いので教えて欲しいのですが...」と、下手に回って、クライアントに気持ちよくビジネスについて語ってもらいましょう。

ヒアリングでの確認事項
  1. デザインの期待値を明確にする
  2. ターゲッティング
  3. ターゲット層が購入する(利用する)動機
  4. 競合の商品やサービス
  5. 現行の販促物と、その問題点

1つ目の「デザインの期待値を明確にする」は特に重要です。

ビジネスの問題点を伺うと同時に、デザインの品質面での期待値を知る必要があります。2〜5の確認事項は、言葉で理解できる部分ですが、1の「デザインの期待値を明確にする」は感覚的な問題です。

感覚的なデザインと実証的なヒアリング

デザイナーは普段から様々なデザインを目にしているので、デザインを言葉に置き換えることができますが、クライアントはイメージを言葉にすることができません。参考デザインを見せて、「AとBならどちらがイメージに近いですか?」、「BとCならどちらがユーザーに受け入れられそうですか?」と、徐々にイメージを固めていきます。

ここで大事なのは、「この方向性でこの品質を出せばおそらく満足するだろう」という期待値を把握することです。

下請けだとしても、ヒアリングはしつこく行う

仕事の請け方には大きく分けて2パターンあると思います。

  1. クライアントから直接仕事を請ける「直請け」
  2. 制作会社やプロダクションを間に挟む「下請け」

私の経験では、2つ目の「下請け」の方が修正回数が重むことが多い。「下請け」だと思っていたら、「孫請け」、「ひ孫請け」だったなんてことも珍しくない業界です。クライアントの要望がまるで伝言ゲームのように、複数人を介してデザイナーに届くわけですが、その過程で正確さはどんどん薄れていきます。

デザインの下請け・孫請け

「下請け」であっても、ヒアリングの姿勢は変えてはいけません。

とはいえ、

  • 聞いても答えてくれない
  • 聞きづらい高圧的なオーラで接してくる
  • そもそも日本語が伝わらない

などなど、どうしたら良いか分からない状況は多々あります。
仲介しているディレクターや営業もこの仕事のプロなので、デザイナーが強気に問いただして良いものか不安に思うこともありますね。

答えは、「そんなの関係ない」です。

まだ成長段階の新米デザイナーさんは、様々な理不尽にも耐えて経験することも必要でしょう。口が達者なだけで実力が伴わないと孤立してしまうこともありますから。
もしあなたがベテランデザイナーさんやフリーランスや経営者であれば、強く言うべきです。

どちらの方角に帆を上げて進んだら良いかも分からず航海したら、遭難してしまうのは目に見えています。
広告のプロであってもゴールを明確にしないままデザイナーに指示する方は大勢いますが、それを甘んじて引き受けてしまうと、後で自分の首を締めることになりますし、クライアントのゴールからも遠ざかります。

クライアントの要望を全て引き受ける「イエスマン」になることが仕事だと思っている方もいるようですが、私らの仕事の目的はクライアントの売上・集客をあげるためですね。
よって、強く言うことも必要です。



フェーズごとに確認作業を挟む

デザインのフェーズ

「課題を見つける」、「ゴールを設定する」、「原稿を決定する」、「初稿デザインの確認」、「修正」などフェーズを細分化して、全てのフェーズで順番にクライアントにOKをもらうようにします。原稿、初稿、修正の確認の基準は、「きちんとゴールに向かっているか?」にあります。ゴールから逸れた修正が発生した際には、「ゴールはここでしたよね」と、ゴールを再確認します。

「クライアントが主体的に考えて順序立てて最善の道を進んできた」という感覚をクライアントに持ってもらうことで、無駄な後戻りを減らすことができます。

凡ミスが多いと修正が多くなる傾向がある

一つひとつのフェーズを順調に進めるために、校正ミスなどの凡ミスは極力避けたいところ。
なぜなら、小さなミスの連続で徐々に信頼を失ってしまうためです。一度疑われはじめると、全てのフェーズに悪影響を及ぼし負の連鎖となります。

D社やH社など有名な制作会社は、生産性のない修正のやりとりを省いて効率よく仕事を回している印象がありますが、それはブランド力があるからです。
ブランド力のないフリーランスや零細制作会社は、小さな信頼を積み重ねることが肝要です。

校正ミスなどの凡ミスを減らすことは、自分を信用しないことです。
「絶対にミスがある」と思いながら校正したり、スケジュールに余裕を持って制作し校正の時間を多めに確保すると良いです。



修正は追加料金が発生するとガイドラインに明示する

「修正費が発生する」旨をWebサイトなどにガイドラインとして記載しておくことはとても有効です。
とはいえ、本当に修正費をとることはあまりありません。目的は、クライアント自身の意思決定に責任を持ってもらうためです。

例えば、

修正回数は2回まで。3回目から修正費を頂戴します。

と記載されていれば、クライアントは損したくないので、じっくりと修正内容を吟味してまとめて修正依頼がくるようになる。それだけでも工数はだいぶ削減できますね。


以上が、無駄な修正をなくすための対策です。

まとめ
  • ヒアリングでゴールを明確にする
  • 全てのフェーズで確認作業。その基準は、はじめに設定したゴール
  • 凡ミスを少なくして小さな信頼を貯める
  • ガイドラインを明示し修正指示に責任をもらう
フリーランスのブラック企業取引先との付き合い方。西村ひろゆき・働き方完全無双から学ぶ

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2019年3月16日







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